ITエンジニアにはどんな種類がある?転職・就職前に知っておきたい職種一覧

お役立ちコラム

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

ITエンジニアには、システム開発からインフラ構築、セキュリティ対策、AI分野まで多彩な職種が存在します。それぞれの職種には役割や求められるスキルが異なり、自分に適した分野を選ぶことがキャリアの鍵となります。本記事では、代表的なITエンジニアの職種を網羅的に紹介し、違いや特徴をわかりやすく解説します。

ITエンジニアの仕事とは

ITエンジニアとは、ソフトウェアやネットワーク、クラウド環境などの設計、構築、運用に携わる専門職の総称です。業務範囲は非常に広く、企業活動のデジタル化が進む中で、その役割も日々多様化しています。例えば、業務システムの導入プロジェクトにおいては、要件定義や設計、実装、運用保守といった各フェーズに専門のエンジニアが関与します。

これにより、1つのプロジェクトの中でも複数のエンジニア職が連携しながら業務を進める構造が一般化しています。また、最新技術への対応力も求められ、生成AI、IoT、5G、ゼロトラストといった新領域への知識が重視される傾向です。多くの職種がある中で、自分に適した領域を見つけることが、満足度の高いキャリア形成につながります。


システムエンジニア(SE)の特徴

システムエンジニアは、顧客の要望を整理し、最適なシステム設計を行う上流工程を担当します。プロジェクトの初期段階であるヒアリングから始まり、要件定義、設計書の作成、進捗管理、品質管理まで幅広く関わります。単なる技術者ではなく、顧客との交渉力や調整能力も問われるため、業務の中ではビジネスコミュニケーションのスキルが重要視されます。

要素内容
関与工程要件定義、基本設計、詳細設計、テスト管理
必要スキル論理的思考、文書作成力、折衝力
向いている人調整が得意、幅広い視点を持てる人

顧客のビジネス課題を技術で解決する立場にあるため、業務知識の習得も求められ、業界別のノウハウを積むことで高い価値を提供できる職種です。


プログラマー(PG)の仕事とスキル

プログラマーは、設計書を基にソースコードを実装し、プログラムを動作させる職種です。コードの正確さだけでなく、保守性や可読性も重要で、チーム開発においてはコーディング規約の遵守も不可欠です。主に扱う言語は、Java、Python、PHP、C#など多岐にわたり、フレームワークやライブラリを活用する能力も必要です。

項目具体例
主な業務コーディング、単体テスト、バグ修正
使用ツールGit、VSCode、IntelliJ
推奨スキル言語知識、アルゴリズム理解、正確性

日々の業務では繰り返しが多く感じられることもありますが、技術力が直接成果に結びつくため、自己成長を感じやすい職種でもあります。


インフラエンジニアの役割

インフラエンジニアは、システムを安定的に稼働させるための基盤作りを担う職種です。サーバやネットワーク、ストレージ、OSなどを扱い、障害対応やリソースの最適化、セキュリティの強化などを通して、ITサービスの土台を支えます。

カテゴリ詳細
主な業務環境構築、トラブル対応、監視運用
必要な知識Linux、TCP/IP、仮想化技術
伸びる領域クラウド、コンテナ、ゼロトラスト

近年は、クラウドエンジニアとの役割の境界が曖昧になりつつあり、スキルの幅広さが重視される傾向にあります。


セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアは、企業のシステムやネットワークを外部の脅威から守る職種です。マルウェア、フィッシング、不正アクセスといった攻撃に対する防御策を講じ、セキュリティポリシーの策定や社員教育の企画など、社内全体のセキュリティレベル向上に貢献します。

観点詳細内容
実務内容脆弱性診断、SOC運用、ログ分析
重視スキルセキュリティ設計、インシデント対応力
使用ツールSIEM、IDS/IPS、EDR

万が一インシデントが発生した際には、迅速な対応が求められるため、冷静さと状況判断力が問われます。


クラウドエンジニアの将来性

クラウドエンジニアは、AWSやAzure、GCPといったクラウドサービスの設計・運用を行います。物理的な機器を持たず、柔軟かつスケーラブルなシステムを提供できるため、多くの企業がクラウドに移行しています。

項目内容
関与分野IaaS、PaaS、IaC設計
必須知識API連携、セキュリティグループ設定
人気資格AWS SAA、Azure Administrator

今後はマルチクラウド環境の整備や、サーバレスアーキテクチャの導入も進むことが予測され、対応力が求められます。


フロントエンド/バックエンドエンジニアの違い

フロントエンドエンジニアは、ユーザーの目に触れるUI部分を開発し、バックエンドエンジニアはデータベースやサーバのロジックを処理します。両者は協力し合いながら、機能的かつ使いやすいサービスを提供します。

役割技術領域
フロントエンドHTML/CSS、Vue、React
バックエンドNode.js、Ruby、Spring Boot

技術の進化とともに、それぞれの役割を兼ねる「フルスタックエンジニア」への期待も高まっています。


データエンジニアとAIエンジニアの専門性

データエンジニアは、データ収集から加工・格納の仕組みを構築し、AIエンジニアはそのデータを使いAIモデルを開発します。両職種は密接に連携することで、企業のデジタル戦略を支えています。


ITエンジニアのキャリアパスと推奨資格

キャリアを構築するうえで、スキルの可視化は重要です。資格取得はそのための有効な手段であり、転職時にもアピールポイントとなります。


まとめ

ITエンジニアは、技術革新とともに新しい分野が次々と生まれる職業です。本記事では、代表的な職種を整理し、役割とスキル、将来性について具体的に解説しました。それぞれの職種が持つ魅力と可能性を理解し、自分の強みや関心に基づいて適切な分野を選ぶことが、成功への第一歩となります。

エンジニアという職業は、常に学びと進化を伴います。その変化を前向きに受け入れ、自分なりの成長戦略を描いていくことが、これからの時代を生き抜く鍵になるでしょう。

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