リードエンジニアの役割って?スキルについても解説

お役立ちコラム

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

ソフトウェア開発やシステム構築の現場でコーディングだけでなくチームを技術的に牽引するのが「リードエンジニア」です。設計・品質管理・メンバーのサポートなど多岐にわたる役割を担い、プロジェクト成功を支える存在です。この記事ではリードエンジニアの仕事内容と求められるスキルを整理して解説します。

リードエンジニアとは何か

チームの技術的な舵取り役

リードエンジニアは開発チームの中で技術面の責任者として機能します。単なるコーダーではなく、仕様設計・アーキテクチャの決定・開発基準の策定など、技術全体の方向性を定める立場です。また、コードレビューやメンター役としてメンバーを技術的に支えることで、チーム全体のスキル底上げにも貢献します。

若手や中堅エンジニアと比べ、リードエンジニアには「完成したものを作る力」だけでなく「継続的に品質を保つ仕組みを作る力」が求められます。そのため、技術力と同時にマネジメントやコミュニケーションまで幅広い能力が必要です。


主な仕事と責任範囲

役割分野内容
技術設計と技術選定使用する言語やフレームワーク、システム構成、アーキテクチャの決定
コードレビューと品質保証コードの可読性・保守性・セキュリティをチェックし基準を維持
プロジェクト進捗管理とタスク配分メンバーごとのタスク割り振りと進捗管理、ボトルネックの把握
チーム内外との調整と折衝デザイナー、企画、他部門との連携や要件確認の調整窓口
メンバー育成とサポート若手の教育、レビューのフィードバック、技術相談窓口

このようにリードエンジニアは「作る」だけでなく「チームを導き、育てる」役割が期待されます。


リードエンジニアに求められるスキル

以下が特に重要とされるスキルと習熟すべき能力です。

・広範な技術知識と設計力:複数の言語やフレームワークに対応でき、最適な技術選定と設計ができる
・コード品質・保守性・セキュリティへの高い意識:レビューを通じて基準を守り、安定的な運用を支える
・マネジメント能力とコミュニケーション力:タスク管理やメンバー調整、他部署との折衝を円滑に進める
・問題解決力と判断力:トラブル発生時や要件変更時に柔軟かつ的確な判断と対策ができる

これらを併せ持つことで、単なる「優秀なエンジニア」を越えた「チームを支える柱」として機能できます。


リードエンジニアが向いている人/注意点

向いている人

  • 技術だけでなくチームと向き合う姿勢を持つ人
  • 複数の視点(品質・スケジュール・仕様・人間関係)を調整できる人
  • 長期的な視点でシステムを改善・維持したい人

注意すべきこと

  • コーディングの時間が減り、レビューや調整が主になるため、手を動かしたい人には物足りなさを感じる可能性
  • 責任範囲が広いためストレスや負荷が高くなりやすい
  • 技術力だけではなく人間関係の調整や折衝力も必要

リードエンジニアを目指すためのステップ

  • 実装だけでなく設計やレビューまで含む経験を重ねる
  • 他人のコードを読む、メンターを経験することで品質を意識する習慣をつける
  • チームでのタスク管理やドキュメント整備、コミュニケーションを自ら率先して行う
  • 小規模でもよいので、チームを率いた経験を持つ

こうした経験を積むことで、リードエンジニアとしての総合力が磨かれます。


まとめ

リードエンジニアは単なる開発者にとどまらず、チーム全体の品質・効率・成長を支える重要なポジションです。設計力、技術力、コミュニケーション力、判断力といった複数の能力を兼ね備えることで、プロジェクトの成功やチームの成長に大きく貢献できます。

もし「ただコードを書く」だけでなく、「チームで価値を生み出したい」「後輩を育てたい」「プロジェクトを技術面から支えたい」と考えるなら、リードエンジニアは非常にやりがいのあるキャリアの選択肢となるでしょう。

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