ITエンジニアの転職はやめとけ?後悔する理由とは?

ITエンジニア

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

IT業界は人材不足といわれる中、エンジニアにとって転職は比較的しやすい選択肢と見られています。しかし、実際に転職した後で「思っていたのと違う」「こんなはずではなかった」と後悔する声も少なくありません。特にスキルや年収の面で期待とのギャップが生じた場合、それが大きなストレスに変わることも。本記事では、ITエンジニアが転職で失敗しやすい理由と、後悔しないための対策について詳しく解説します。

転職でよくある「後悔した理由」とは?

ITエンジニアが転職後に感じる後悔の理由は一つではありません。給与・働き方・人間関係・仕事内容など、複数の要因が重なるケースが多いのが現状です。特に「理想と現実のギャップ」が大きな落差となって押し寄せてきたとき、後悔の感情が強くなります。転職理由が曖昧なまま勢いで決断してしまった人ほど、後悔しやすい傾向にあるため、事前の冷静な判断が重要です。


年収アップのはずがダウン?給料にまつわる誤算

転職の大きな目的として「年収アップ」を掲げるエンジニアは多くいます。しかし、実際には「基本給が前職よりも低かった」「残業代がつかない固定残業制だった」「インセンティブが不透明だった」といったケースが発生し、結果的に収入が下がってしまうこともあります。また、ベンチャー企業では給与制度が安定していない場合もあり、期待とのズレが不満に変わる可能性があります。


社風・人間関係のミスマッチで馴染めない

転職先の「社風」や「チームの雰囲気」が合わないことも、後悔につながる大きな要因です。特にフルリモート環境では、チームメンバーと直接会話する機会が減り、孤独感や疎外感を抱きやすくなります。また、年齢層の違いや価値観のズレ、マネジメントスタイルの違いなどがストレスになることも。人間関係の問題は仕事の満足度を大きく左右するため、入社前の企業理解が不可欠です。


仕事内容が想像と違うことによる戸惑い

面接時に聞いた業務内容と、実際に任される仕事が異なるというケースも少なくありません。新しいスキルを活かしたいと考えていたのに、実際にはルーチンワークが中心だったり、保守・運用が多くクリエイティブな作業ができなかったりと、仕事へのモチベーションが下がってしまう原因にもなります。配属先やチーム体制が明確でない場合には、慎重な確認が必要です。


上司やマネジメントの質が仕事に影響する

エンジニアの働きやすさは、上司やマネージャーの理解度によって大きく左右されます。特に「非エンジニア出身のマネージャー」が現場を理解しておらず、納期やタスク量に無理がある場合、ストレスが急増します。また、相談しにくい雰囲気や評価制度の不透明さも、働きづらさにつながります。転職前に上司との関係性やチーム体制を確認することが重要です。


キャリアが止まったと感じる場面

スキルアップやキャリア形成を期待して転職したのに、実際には成長のチャンスが少ないと感じることもあります。特に「研修制度が整っていない」「学習の時間が確保できない」「最新技術に触れられない」などの要因によって、キャリアが停滞していると感じるエンジニアも少なくありません。今後のキャリアビジョンを明確に持ち、それに合った企業を選ぶことが肝要です。


後悔の声を整理した一覧表

以下に、ITエンジニアが転職後に後悔した理由とその背景を表にまとめました。

後悔の理由背景や実情
給与が下がった想定外の固定残業制、評価制度の不透明さ
社風が合わないチームの雰囲気、上司との関係性、価値観の違い
仕事内容が違った面接での説明と実務の内容にギャップがある
成長機会がないスキルを活かせない、研修がない、新技術に触れられない
働き方がきつくなった長時間労働、休日出勤、過剰なノルマ

後悔しないために転職前にやるべきこと

後悔を防ぐには「転職先の見極め」と「自分自身の分析」が不可欠です。特に以下の3つは必ず確認しておくべきポイントです。

自己分析の徹底

まずは「なぜ転職したいのか」「今後どんなスキルを伸ばしたいのか」「働き方の希望は何か」など、自分の価値観や優先順位を明確にしましょう。迷いが残ったまま転職を決断すると、再び不満を抱える可能性があります。

企業リサーチの質を高める

企業のHPや求人票だけではなく、エンジニアブログ、採用担当者の発信、開発体制、技術スタック、社員の年齢層など多角的な視点でチェックすることが重要です。可能であれば、現場のエンジニアと話す機会を設けるのも有効です。

転職エージェントを上手に使う

複数のエージェントに相談することで、自分では見抜けないリスクや企業情報を得られることがあります。また、自分の希望に合う企業を客観的に提案してくれるため、視野が広がるきっかけにもなります。


転職成功に向けたチェックリスト

チェック項目確認すべきポイント
年収制度基本給・賞与・残業代の有無
労働時間・働き方リモート可否、フレックス制度、残業時間の平均
チームの年齢層・構成比率若手中心か、ベテランが多いかなどのチームバランス
技術スタック使用言語・フレームワーク・CI/CDの有無など開発環境
キャリア支援体制研修制度、資格支援、コードレビューや勉強会の有無

まとめ

ITエンジニアにとって転職はキャリアアップの手段である一方、正しい準備と判断を怠れば後悔を生む要因にもなり得ます。「転職すべきかどうか」だけでなく、「なぜその企業を選ぶのか」「自分は何を実現したいのか」といった問いに答えを持つことが大切です。

勢いや不満だけで決断せず、自分と企業の相性を慎重に見極めましょう。後悔のない転職を実現し、より豊かなエンジニア人生を築いていくために、今こそ立ち止まってじっくりと準備を進めていきましょう。

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