ネットワークエンジニアは、企業のITインフラを支える非常に重要な職種です。今後もクラウドやIoT、5Gの普及により需要が高まる分野でもあります。本記事では、ネットワークエンジニアになるためのステップ、必須スキル・資格、キャリアパス、そして求職時の注意点をまとめて紹介します。これからネットワーク分野に挑戦したい方のガイドとしてお役立てください。
ネットワークエンジニアとは何をする仕事か
主な業務領域と役割
ネットワークエンジニアは、企業や組織の通信基盤を設計・構築・運用・保守する専門家です。具体的には以下のような業務を担当します。
- ネットワークの設計:要件をもとに構成を設計
- 構築・設定:ルーター、スイッチ、ファイアウォールなどの機器設定
- 運用・監視:通信状態の監視、障害検知、ログ分析
- 保守・トラブル対応:故障時の切り分けと修復対応
企業では、ITインフラが停止すると業務全体が止まるため、ネットワークエンジニアの役割は非常に重要とされています。
また、設計よりも運用・保守が基盤となるポジションからステップアップしていくケースが多いです。
ネットワークエンジニアになるためのステップ
ステップ別の道筋と準備
以下に、未経験者がネットワークエンジニアになるまでのおおまかなステップと特徴をまとめました。
ステップ | 準備内容 |
---|---|
ステップ1:基礎学習 | TCP/IP、OSI参照モデル、ネットワーク構成など基本知識を学ぶ |
ステップ2:実習・演習 | 仮想環境やラボで機器設定、パケットキャプチャを体験する |
ステップ3:資格取得 | CCNA、基本情報、ネットワークスペシャリスト等を目指す |
ステップ4:インターン・現場経験 | 運用現場や保守案件に携わり、スキルを実践で磨く |
このような順序で準備を進めることで、無理なく現場レベルまで到達できる可能性が高まります。
必要なスキルと知識
技術面で求められる基盤力
ネットワークエンジニアにとって、次のような技術・知識が基礎になります。
- TCP/IP、サブネット、ルーティング、VLAN、VPN
- ルーター、スイッチ、ファイアウォール等のネットワーク機器の構成
- ネットワーク監視ツール、ログ解析、パケットキャプチャ
- セキュリティ(IDS/IPS、アクセス制御、暗号技術)
- クラウドネットワーク(AWS、Azure、GCPのVPC設定など)
ソフトスキルも評価される
技術力に加えて、エンジニアとして働く上で次のような能力も重視されます。
- 問題を整理し順序よく対処する力(論理的思考)
- 他エンジニアや顧客との折衝・説明力
- 文書作成能力(構成図、設計書、レポート)
- 継続学習力と技術トレンドのキャッチアップ
取得しておくと有利な資格
資格は必須ではありませんが、スキルを客観的に示す手段として有効です。特に以下は転職市場で評価されることが多いです。
- CCNA(Cisco認定初級)
- CCNP(Ciscoのより上位資格)
- ネットワークスペシャリスト(国家資格)
- 基本情報技術者・応用情報技術者
資格勉強を通じて知識を体系化できるため、学習過程においても成長が期待できます。
キャリアパスと年収動向
ステップアップの方向性
ネットワークエンジニアとして経験を重ねると、以下のようなキャリアパスがあります。
- 上流設計/構成設計者として設計フェーズに携わる
- ネットワークアーキテクトとして大規模インフラを統括
- インフラ技術全体に関わるマネージャー職へ
- セキュリティエンジニアやクラウドエンジニアへの横展開
年収の目安
経験や扱うネットワーク規模によって変動します。たとえば、エントリーレベルでの中小規模運用担当から、設計/構築を手がける中堅・上級エンジニアまで段階があります。
求職時・面接時の注意点と準備
履歴書・職務経歴書で意識すべきこと
- 使ったネットワーク技術や機器名を具体的に記載する
- 実際のプロジェクト経験、関わった規模や役割を明記する
- 自分で構築した環境(仮想ラボなど)があれば記載する
面接で問われやすいテーマと答え方
- トラブル体験とその解決方法をひとつ具体例で語る
- 今後学びたい技術や取り組みたい分野を明確に示す
- ネットワークの基本的な仕組み(IP・ルーティングなど)を説明できるように
まとめ
ネットワークエンジニアは、ITインフラの中核を支える専門性の高い職種です。基礎知識の習得から始め、実機演習、資格取得、現場経験というステップを着実に踏むことで、未経験者でも目指すことが可能です。
技術力だけでなく、コミュニケーション能力や論理的思考も重要な要素となります。地道な学習と経験の積み重ねで、将来的に設計・管理・セキュリティ分野まで視野を広げられるキャリアを築いていきましょう。
コメント