Delphiの将来性は?必要なスキルも解説

お役立ちコラム

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

Delphiは古くから存在する開発環境でありながら、今も一定の需要が存在する言語です。近年ではモダンな言語に注目が集まる一方で、Delphiを使った業務システムの保守やアップデートのニーズは依然として根強く残っています。本記事では、Delphiの将来性やエンジニアとして活躍するために必要なスキルについて解説します。

Delphiとはどのような開発環境か

Delphiは、ビジュアル開発と高速アプリケーション開発を実現する統合開発環境です。元々はBorland社によって開発され、現在はEmbarcadero社が提供しています。主にWindows向けの業務アプリケーション開発で広く使われてきました。

近年では、クロスプラットフォーム対応が進んでおり、モバイルやmacOSアプリの開発にも対応しています。


Delphiの需要と将来性

Delphiは最新トレンドの技術とは言いづらいものの、一定の分野では今も強い需要があります。特にレガシーシステムが多く残る業界においては、Delphiエンジニアが重宝されています。

業界使用例
金融・保険勘定系業務アプリの保守・更新
製造・医療工場ラインの制御ツールや診療システム

新規開発よりも、既存システムの保守・改修が中心ですが、その分スキルの希少価値は高まっています。需要は決して多くありませんが、限られた案件に対して人材が不足している現状があります。


Delphiエンジニアに求められるスキル

Delphiエンジニアとして働くには、Delphi言語の理解はもちろん、関連技術への対応力も必要です。以下のようなスキルが求められます。

  • RAD StudioやVCLなど、Delphi独自のフレームワークの知識
  • 既存コードの読み解きとリファクタリング能力
  • Windows APIやデータベースとの連携スキル

また、近年はクロスプラットフォーム開発にも対応しているため、FireMonkeyの活用経験があると有利です。


Delphiを使うメリット

Delphiには他の開発言語にはないいくつかのメリットがあります。

  • コードがシンプルで可読性が高く、バグが少ない
  • GUIアプリケーションを直感的に設計できる環境が整っている

これらの特徴から、業務効率を重視する開発現場で特に評価されています。


Delphiにおける注意点

一方で、Delphiを使ううえでの注意点もあります。

  • 学習リソースが少なく、独学しにくい
  • 案件数が少ないため、キャリアの選択肢が限定される

これらの理由から、Delphiのみを専業とするよりは、他の開発言語(JavaやC#など)と併用してスキルを広げる戦略が有効です。


Delphiエンジニアのキャリアの進め方

Delphiの経験は、他の言語や業務系システム開発への応用がしやすいため、将来的なキャリアパスにもつながります。

  • Delphi+C#で業務アプリのフルスタック開発者へ
  • Delphiの経験を活かしてプロジェクトマネージャーやSEへ

希少性の高いスキルだからこそ、他の技術と掛け合わせることで、より柔軟なキャリア構築が可能です。


まとめ

Delphiは決して主流ではありませんが、特定の分野では今も必要とされている貴重な技術です。特に保守・運用フェーズに強みがあり、ニッチな市場での安定した需要があります。求められるスキルを身につけつつ、他の技術との組み合わせで市場価値を高めれば、将来のキャリアにも活かせる有力な武器となるでしょう。

コメント