ブリッジSEって?仕事内容は?必要なスキルは?

お役立ちコラム

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

海外エンジニアとのやり取りが増える中で注目を集めている職種が「ブリッジSE」です。開発プロジェクトの要となる役割であり、エンジニアリングとコミュニケーションの両面が求められます。本記事では、ブリッジSEの具体的な仕事内容と役割、必要なスキルについてわかりやすく解説します。

ブリッジSEとは何か

ブリッジSEとは、日本企業と海外の開発チームの間に立って、プロジェクトをスムーズに進める役割を持つシステムエンジニアのことです。特にオフショア開発の現場で活躍し、言語や文化の違いを埋めながら、正確な情報伝達や品質管理を担います。

単なる通訳ではなく、技術理解を前提とした「橋渡し役」として、開発の指示・仕様調整・進行管理まで幅広く関わる点が特徴です。


ブリッジSEの仕事内容

ブリッジSEは、海外の開発チームと日本側のクライアントの双方を理解し、プロジェクト全体をつなぐ重要なポジションです。

主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 日本側クライアントの要望・仕様を正確にまとめ、海外の開発チームに共有する
  • 海外チームからの質問や報告を整理し、クライアントにわかりやすく伝える

さらにプロジェクトの進行においては、進捗管理や品質の確認、トラブル時の調整など、エンジニアリング面とマネジメント面の双方が求められます。


ブリッジSEの役割を整理した表

役割内容
コミュニケーションの橋渡し言語や文化の壁を超えた情報伝達・仕様調整
開発プロジェクトの管理進捗、品質、課題、スケジュールの管理
技術的な理解と判断仕様理解、技術的な可否判断、問題部分の分析
リスク対策誤解が起きないように資料整備や説明を行う

このように、プロジェクトのリスクを最小限にしながら、効率的に開発を進めるための中心人物と言えます。


ブリッジSEに求められるスキル

ブリッジSEとして活躍するためには、技術力だけではなく、相手の意図をつかむためのコミュニケーション力も欠かせません。

必要とされるスキルは以下の通りです。

  • 仕様理解・技術的な判断ができるエンジニアリングスキル
  • 日常会話からビジネスレベルまでの外国語(英語や中国語など)のコミュニケーション力

また、文化の違いや作業スタイルの差を理解し、双方にストレスが起きないように調整できる柔軟さも求められます。


必要スキルを一覧にまとめた表

スキル内容
技術スキルシステム開発に関する基本知識、仕様理解能力
語学スキル英語・中国語など、海外チームと業務で使えるレベル
調整力仕様の齟齬をなくし、認識を正しく合わせる能力
ドキュメント作成能力要件・仕様・議事録などを整理し、分かりやすく作成できる力

特に、ドキュメントの質はプロジェクトの成功率を大きく左右するため、文章力や情報整理力は重要です。


ブリッジSEに向いている人の特徴

ブリッジSEは専門性が高く、スキルの幅も広いため、向いている人の傾向があります。

  • 人と話すことが苦にならず、相手の意図を汲み取ることが得意
  • 技術理解があり、開発の流れを俯瞰できる
  • 国際的な環境や異文化コミュニケーションが好き
  • 認識のすれ違いを避けるための丁寧な仕事ができる

特に、海外チームと距離を近づけるために“関係構築力”があるかどうかが大きなポイントです。


ブリッジSEとして働く魅力

ブリッジSEには、他のエンジニアにはない魅力が多くあります。

  • 海外の文化や働き方を知ることができ、視野が広がる
  • プロジェクトの中心に関わるため、達成感が大きい
  • 技術と語学の両方を活かしたキャリア形成が可能
  • 将来はPM(プロジェクトマネージャー)としてのステップアップが期待できる

エンジニアとしての価値を広げながら、多様な働き方ができる点は大きなメリットです。


まとめ

ブリッジSEは、海外の開発チームと日本企業の間に立ち、情報伝達や仕様調整、品質管理などを担う重要な役割です。技術力だけでなく、語学力やコミュニケーション力、柔軟な対応力が求められるため、総合力が必要な職種といえます。

しかしその分、国際的なプロジェクトに携わり、キャリアの幅を広げられる魅力的な仕事でもあります。海外とのやり取りが好きな方や、技術だけでなく調整力も磨きたい方にとっては、大きな活躍の場が広がっています。

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