ノーコード開発って何?注目されている理由とそのメリットをわかりやすく解説

お役立ちコラム

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

システム開発といえば、これまでは専門のエンジニアによるプログラミングが不可欠とされてきました。しかし近年、コードを書かずにアプリケーションを作成できる「ノーコード開発」が注目を集めています。IT人材不足や業務効率化が課題となる中、誰でも扱いやすいこの開発手法が急速に広まりつつあります。本記事では、ノーコード開発の概要や注目される理由、メリット、そして実際に使われているツールについて解説します。

ノーコード開発とは何か

コード不要でアプリやシステムを作成できる新しい手法

ノーコード開発とは、プログラミング言語を使わずにアプリケーションや業務システムを開発できる方法のことです。主に、視覚的な操作によって画面を構成し、ドラッグアンドドロップで機能を組み立てていくインターフェースが特徴です。

ノーコードツールでは、以下のような開発が可能です。

  • 業務管理システム(顧客管理、在庫管理など)
  • 社内申請フォームの自動化
  • データベース連携アプリ
  • WebサイトやLPの構築
  • モバイルアプリのプロトタイプ作成

開発における複雑なコード設計が不要なため、非エンジニアでも比較的短時間でシステム構築が可能になります。


なぜノーコード開発が注目されているのか

IT人材不足とDX推進の時代背景が後押し

ノーコード開発が急速に広まりつつある背景には、次のような社会的要因があります。

背景内容
IT人材の不足プログラマーやエンジニアが慢性的に不足しており、開発リソースの確保が難しい
DXの加速デジタル変革(DX)を進める中で、スピードと柔軟性が求められている
業務効率化の需要紙やExcel中心の業務をデジタル化し、生産性を向上させる動きが活発化
テレワーク・ハイブリッド勤務の拡大業務環境の変化に迅速に対応できる柔軟なシステム構築が必要

また、クラウドサービスの普及により、ノーコードツール自体の導入ハードルも下がっており、導入しやすい環境が整っていることも人気の理由です。


ノーコード開発のメリットとは

コスト削減と業務スピードの大幅な向上を実現

ノーコード開発には多くの利点がありますが、特に注目すべきメリットは次の通りです。

  • 開発スピードの大幅な短縮
     コードを書かずに視覚的な操作で構築できるため、開発期間が従来の半分以下になることもあります。
  • 開発コストの削減
     外部に依頼せずに内製化できるため、費用を大幅に抑えることが可能です。
  • 現場主導のシステム構築
     エンジニアに頼らず、業務をよく知る担当者が自ら開発できるため、現場に即したシステムが実現できます。
  • 保守・改善のしやすさ
     プログラムコードの修正が不要なため、仕様変更や画面修正が簡単です。

さらに、以下の表に代表的なノーコード開発の利点をまとめます。

メリット項目説明
開発スピード開発期間を大幅に短縮できる
柔軟性業務に合わせた調整が可能
内製化非エンジニアでも構築が可能
低コスト外注費用が不要になるケースも

主なノーコードツールの例

さまざまな分野に特化したツールが登場している

ノーコード開発の普及に伴い、多くのツールが提供されています。それぞれの特徴を活かして、自社の目的に合ったツールを選定することが大切です。

  • Airtable(エアテーブル)
     データベースとスプレッドシートが融合したようなUIで、タスク管理やプロジェクト管理に強い。
  • Glide(グライド)
     Googleスプレッドシートをもとにスマホアプリが作れるノーコードツール。教育機関や小規模ビジネスで人気。
  • Notion(ノーション)
     ノートアプリでありながら、データベースやワークフロー構築にも対応している多機能ツール。
  • Power Apps(パワーアップス)
     Microsoftが提供するツールで、業務システムとの連携がしやすく、企業導入が進んでいる。
  • STUDIO
     日本製のWebサイト制作特化ツール。美しいデザインのWebページを直感的に作成可能。

これらのツールは用途によって選ぶ必要があり、社内業務に特化するか、顧客向けのサービス開発に使うかで向き不向きが分かれます。


ノーコード開発を導入する際の注意点

メリットばかりでなく、限界も理解しておくことが重要

ノーコード開発は非常に便利な反面、導入にあたっては次のような注意点も存在します。

  • 複雑なロジックには不向き
     高度な演算処理や外部システムとの細かい連携が必要な場合、コードの柔軟性が求められるためノーコードでは限界があります。
  • カスタマイズの制限
     ツールが提供する範囲でしか機能を拡張できないため、細かな要件に対応できないこともあります。
  • セキュリティ対策の必要性
     クラウド型ツールが多いため、情報漏洩やアクセス管理のルールづくりが不可欠です。
  • ツールの乗り換えが難しい場合がある
     一度構築したシステムが他の環境に移行できない、というケースもあるため、導入前の比較検討が重要です。

まとめ

ノーコード開発は、ITスキルに自信がなくてもアプリやシステムを作成できる画期的な手法として、企業の業務効率化やDX推進に大きく貢献しています。

スピード感ある開発、コスト削減、現場主導のシステム構築など、多くのメリットがある一方で、導入には注意点も伴います。まずは小規模なプロジェクトから導入を始め、社内のリテラシーや開発目的に応じて適切なツールを選定することが成功の鍵となるでしょう。

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