ITインフラを支えるプロフェッショナル「インフラエンジニア」。その年収は果たしてどのくらいなのでしょうか?この記事では、インフラエンジニアの平均年収やスキルによる違い、未経験から高収入を目指すための方法まで、具体的なデータとともに解説します。キャリアに悩む方、転職を検討している方にも役立つ情報をお届けします。
インフラエンジニアとは?業務内容と求められるスキル
インフラエンジニアとは、企業や組織のIT基盤を支える技術職であり、ネットワークやサーバ、ストレージ、クラウド環境の設計・構築・運用・保守まで幅広い業務を担います。例えば、社内システムが止まらないように監視・復旧を行い、ネットワークの安定性を維持し、サイバー攻撃への対応策を講じることが日常業務に含まれます。
この職種では、LinuxやWindows Serverの運用経験、CiscoやFortinetなどのネットワーク機器に関する知識、仮想化技術(VMware、Hyper-Vなど)への理解が不可欠です。さらに近年では、AWSやAzure、Google Cloud Platformといったクラウド環境の構築・運用経験も高く評価されます。
加えて、監視ツールの活用、障害対応スキル、セキュリティ知識、そして各部門と連携を取るコミュニケーション能力も重要視されます。インフラ業務はチームでの連携が多いため、調整力や報告・連絡・相談の姿勢が問われる場面も多いです。
このようにインフラエンジニアは、単なる技術者ではなく、企業の安定した業務遂行を支える“縁の下の力持ち”として、非常に重要な役割を担っているのです。
インフラエンジニアの平均年収は?年代別・経験年数別に比較
インフラエンジニアの年収は、そのスキル・実績・地域・企業規模によって異なります。一般的には以下の通りです。
経験年数 | 平均年収(万円) | 備考 |
---|---|---|
未経験〜3年 | 300〜450 | 運用・保守中心の業務 |
3年〜5年 | 450〜550 | 小中規模の構築案件にも従事 |
5年〜10年 | 550〜700 | 設計・上流工程を担当 |
10年以上 | 700〜900以上 | マネジメント・高度専門職 |
年齢別では、20代で400万円台、30代では500〜600万円、40代以上になると700万円以上を目指すことも可能です。特に、クラウド関連の資格や経験があるエンジニアは、スキルの希少性から高収入を得やすい傾向があります。
高年収を実現するには、単に年数を重ねるだけでなく、新しい技術への対応力や案件マネジメントの実績が必要です。今後も企業のクラウド移行やセキュリティ強化の流れが進む中で、対応できるインフラエンジニアの価値はますます高まると予想されます。
年収が高いインフラエンジニアの特徴とは
高収入のインフラエンジニアには明確な特徴があります。まず、技術トレンドに敏感で、クラウド、セキュリティ、自動化のいずれかに強みを持っている点が挙げられます。AWSやAzureの資格保持者、あるいはTerraformやAnsibleの実践経験が豊富なエンジニアは、市場価値が高くなっています。
さらに、マネジメント経験も評価されるポイントです。プロジェクト全体を推進するPMやPLの経験がある人材は、上流工程に関わるため、責任範囲も広がり、それに伴い報酬も上がります。また、SIerではなく事業会社での社内SEや、外資系企業に転職することで、年収水準が100万円以上跳ね上がることも珍しくありません。
また、自己発信や社外登壇、技術ブログの執筆などにより、業界内での認知度を高めている人もいます。自身のブランディングは、転職時に強力な武器となり、交渉の際にも有利に働くでしょう。
フリーランスインフラエンジニアの年収事情
フリーランスのインフラエンジニアは、実務経験が豊富であれば高単価の案件を獲得でき、年収1000万円以上を狙うことも現実的です。以下は目安となる報酬の相場です。
分野 | 月単価(万円) | 備考 |
---|---|---|
ネットワーク・運用 | 40〜60 | 定常業務が中心 |
クラウド設計(AWS等) | 70〜100 | 設計・構築がメイン |
セキュリティ設計・導入 | 80〜120 | コンサルティング含む |
DevOps支援・IaC実装 | 90〜130 | 最新技術への理解が求められる |
ただし、フリーランスには安定性がなく、案件終了後のブランク期間をどう乗り越えるかが課題となります。そのため、営業力やセルフマネジメント、税務知識の習得も必要です。最近ではフリーランスエージェントの利用も一般的になり、案件獲得のハードルは下がりつつあります。
勤務地・雇用形態による年収差とは
インフラエンジニアの収入には、勤務地と雇用形態による差も顕著に現れます。
雇用形態 | 平均年収(万円) | 特徴 |
---|---|---|
正社員 | 500〜700 | 安定性があり、福利厚生も充実 |
契約社員 | 400〜600 | プロジェクトベースが多い |
派遣社員 | 350〜500 | 即戦力を求められる |
フリーランス | 700〜1000以上 | 単価交渉と実力次第で収入上限なし |
地域別では、東京・神奈川・大阪などの都市部は求人の数も多く、給与水準も高めです。一方、地方では企業のIT予算が限られていることもあり、同じスキルでも年収が低くなる傾向があります。そのため、地方在住で高収入を目指す場合は、リモートワーク可の案件を探すのが有効です。
トレンド技術に乗り遅れないことが収入向上の鍵
現在のIT業界では、クラウド、IaC(Infrastructure as Code)、コンテナ技術の活用が拡大しており、これらに対応できるインフラエンジニアが重宝されています。中でも、KubernetesやDocker、Terraform、Ansibleなどのスキルは、今後さらに需要が高まる見込みです。
これらの技術は一朝一夕で習得できるものではありませんが、実践を通じて身につけた人材は、社内でも社外でも高評価を得ることができます。加えて、SRE(Site Reliability Engineering)やセキュリティエンジニアリングの知見も身につけることで、より広い領域で活躍できるようになります。
インフラエンジニアの需要が高まり続けている理由
DX推進や業務のクラウド化により、インフラエンジニアの需要は引き続き増加しています。企業が安全かつスケーラブルなインフラを求める一方で、それを構築・運用できる人材は慢性的に不足しています。
また、情報セキュリティの高度化やハイブリッドクラウドの運用ノウハウが求められるなど、より専門的な知識と経験が必要となるため、経験者にはより高い報酬が提示される傾向にあります。最近では女性エンジニアの増加も見られ、柔軟な働き方が可能な職場も増加中です。
まとめ①
インフラエンジニアは、技術力と経験を正しく積み上げることで、確実に年収アップを目指せる職種です。市場の変化に対応し、新しいスキルを習得し続けることで、自分の価値を高めることができます。本記事で紹介した内容を参考に、自分の現在地を見直し、次のステップを踏み出してみましょう。
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