かつて「AS/400」と呼ばれたIBMの基幹系システムは、現在「IBM i」という名称で進化を続けています。安定性と信頼性の高さで多くの企業に採用されてきたプラットフォームですが、「古いのではないか」という声もあります。本記事では、AS/400(IBM i)の将来性と今後の課題を整理し、その価値とリスクについて解説します。
AS/400(IBM i)とは何か
信頼性の高い企業向けプラットフォーム
AS/400はIBMが開発したオフィス・企業向けの汎用コンピューターシステムで、OSとデータベースが統合された構造を持つことで高い安全性や安定性が特徴です。現在は「IBM i」として進化し、長年にわたり多くの企業の基幹業務を支えています。
「レガシーシステム」と見られがちですが、実際にはインターネット対応やクラウドとの連携、最新開発言語との統合などの機能も進化しています。
AS/400(IBM i)の将来性
依然として強みがある分野とは?
多くの企業が基幹業務システムとして長年利用している背景には、次のような強みがあります。
| 強み・価値 | 内容 |
|---|---|
| 安定性と安全性 | OSとDBが統合され、信頼性の高い運用が可能 |
| 最新技術との連携 | Web/API連携やクラウド利用が可能なモダナイゼーションが進む |
| 運用コストの効率性 | 一体型設計により運用管理が比較的容易 |
| ノウハウ共有とコミュニティ | 使い手や解決策の蓄積が豊富で、トラブル対応がしやすい |
これらの価値は特に金融・製造・流通などの基幹系業務で評価されており、ゼロベースで置き換えるよりも既存資産を活かしながら更新する選択がなされています。
変わらないニーズと進化の流れ
多様な利用形態への適応
AS/400(IBM i)のニーズは完全に縮小しているわけではなく、以下のような形で継続的な利用・需要があります。
- 長年の実績がある安定したプラットフォームとして、ITインフラの中心として残る
- クラウド連携やAPI活用によって最新技術と組み合わせたシステムとして進化
- AIやデータ分析との連携による高度なシステム利用の検討も進められている
これにより、既存業務の延命だけでなく、次世代のシステム戦略との hybrid 連携が可能になっています。
AS/400(IBM i)が抱える主な課題
利用継続にあたってのリスク
AS/400(IBM i)は多くの価値がありながら、今後に向けていくつかの課題があります。
| 課題 | 影響 |
|---|---|
| 技術者の高齢化 | RPGやCOBOLの熟練者が減少し、若手を育成しづらい |
| レガシー認識による敬遠 | 最新技術志向の若手から敬遠される傾向 |
| 最新環境への追随負担 | クラウド転換やモダナイゼーションの準備・投資が必要 |
| 設計やドキュメントの属人化 | 長年の資産の整理が進んでいないケースがある |
とくに人材面の課題は深刻で、熟練技術者の退職や転職が進むと、システムの継続運用や更新計画が滞る可能性が指摘されています。
課題への対応と将来に向けた活用
技術継承と最新技術の統合
課題に対しては、次のような対応が進められています。
- モダナイゼーション:既存の資産を活かしつつ最新技術と連携する手法
- ドキュメント化とAI支援:AIを使った設計情報の可視化やコード解析で理解・継承を支援
- 教育・研修の充実:最新OSやオープン言語対応へのスキルアップ支援
このように、ただ古いまま使い続けるのではなく、クラウド化やAI連携などを視野に入れることで、システム資産の価値を維持・向上できます。
まとめ
AS/400(IBM i)は信頼性の高い基幹系システムとして長年の実績があり、依然として価値あるプラットフォームとして評価されています。クラウド・Web化・API連携などを取り入れることで、現代のIT戦略にも適合できる将来性があります。一方で、技術者の減少やレガシー意識、モダナイゼーションへの対応といった課題も存在します。これらを正しく理解し、継承と進化を両立させることが、AS/400(IBM i)を活用するうえで重要な視点となるでしょう。





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